ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー　隠された伏線４つを解説

世界中で大ヒットした映画「ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー」。

子どもと一緒に観て「楽しかったね！」で終わるのも良いですが、実はこの映画、脚本の随所に見事な「伏線」が張り巡らされていることに気づきましたか？

単なるファンサービスとしての「小ネタ」ではなく、ストーリーの根幹に関わる「意味のある伏線」を回収しながら観ると、この映画は「良質な成長物語」として全く違った輝きを放ち始めます。

今回は、映画をより深く味わうための「4つの重要な伏線」について、ネタバレに配慮しつつ解説していきます。

物語を彩る「4つの重要な伏線」解説

ただのアイテム探しではない、ストーリーの熱さを倍増させる構成上の伏線に注目してみましょう。

①「マンホール」が繋ぐ冒頭と結末

映画の冒頭、マリオとルイージが制作したCMの中で「マンホールを使って移動する」演出があります。

一見、コミカルなCM演出に見えますが、これは最大の伏線です。

物語のクライマックス、クッパの強力な炎ブレスがマリオを襲う絶体絶命の瞬間。ここで彼らを救ったのは、スーパーパワーでも魔法でもなく、ブルックリンの道端にあった「マンホールの蓋」でした。

普段の仕事道具であり、冒頭で「自分たちの象徴」として描いたマンホールが、最終決戦で最強の盾となる。

「配管工としての日常」が「ヒーローとしての勝利」に繋がる、見事な伏線回収です。

②ピーチ姫の出自と「銀河」の謎

映画の中で、ピーチ姫が自身の過去を語るシーンがあります。

彼女はキノコ王国の住人（キノピオたち）とは違う種族（人間）ですが、なぜそこにいるのか記憶がおぼろげです。

注目すべきは「たくさんの銀河（ギャラクシー）がある中の一つから来た」という発言。

これは明らかに、Wiiの名作ゲーム『スーパーマリオギャラクシー』の世界観を示唆しています。

もし続編が作られるなら、ピーチ姫の故郷や、ギャラクシーに登場する「ロゼッタ」といったキャラクターが登場する可能性が高い、シリーズ展開を見据えた大きな伏線と言えますね。

③嫌味なライバル「スパイク」の役割

序盤に登場する意地悪な元上司、スパイク（ブラッキー）。

彼はマリオたちの独立をバカにし、失敗をあざ笑う「嫌な奴」として描かれます。

しかし、彼がいるからこそ、マリオたちの「誰かに認められたい」「見返したい」というハングリー精神が強調されるのです。

そしてラストシーン。世界を救ってボロボロになったマリオたちを見て、最初に驚き、認めるのが彼でした。

スパイクの存在は、単なる悪役ではなく、マリオ兄弟が「ブルックリンのただの配管工」から「真のヒーロー」へと評価が変わる瞬間をわかりやすく観客に伝えるための重要な「物差し」としての伏線だったのです。

④エンドロール後の「卵」

これは見逃した方も多いかもしれません。

エンドロールが完全に終わった後、ブルックリンの地下下水道にポツンと残された白と緑の斑点模様の卵が映し出されます。

そして卵にヒビが入り、聞き覚えのある「ヨッシー！」という声が…。

これは間違いなく続編への直球の伏線です。次回作ではマリオとヨッシーの冒険が見られることを想像させる、ワクワクするラストでしたね。

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総合評価＆あらすじ

伏線回収の気持ち良さを踏まえた、2児のパパとしての評価です。

あらすじ（伏線視点）

ニューヨークで独立したものの、周囲から認められず空回りする配管工のマリオとルイージ。ある日、地下の配管修理中に謎の土管から異世界へ迷い込みます。

離れ離れになった弟ルイージを救うため、マリオはピーチ姫やドンキーコングと共にクッパ軍団に立ち向かいます。

「なぜ彼らは配管工なのか」「なぜ彼らは強いのか」。

その答えが、冒険を通じて一つ一つ回収されていく、爽快な伏線回収アドベンチャーです。

印象に残ったシーン

伏線という意味で最も鳥肌が立ったシーンをご紹介します。

「失敗しても、諦めない」

映画の中で何度も強調されるマリオの特性、それは「諦めの悪さ」です。

ピーチ姫による訓練コースのシーンで、マリオは何度失敗しても立ち上がります。このシーンは単なる特訓描写ではありません。

これが「何度ゲームオーバーになってもコンティニューしてクリアを目指す」という、私たちプレイヤー自身の体験と重なるメタ的な伏線になっているのです。

クッパとの戦いで何度倒されても立ち上がるマリオの姿は、かつてコントローラーを握って諦めなかった「あなた自身」の投影でもあります。

こんな人におすすめ

まとめ

今回は、映画「ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー」に隠された物語を面白くする4つの伏線について解説しました。

これらの伏線を知った上で観ると、ただのアクション映画ではなく、非常に計算され尽くした良質なエンターテインメントであることが分かります。

ぜひ、次の週末はパパ・ママの「考察視点」も交えながら、子どもたちともう一度キノコ王国へ冒険に出かけてみてはいかがでしょうか。

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